プレスリリース

「HDV用燃料電池を目指した革新的低白金化技術開発」がNEDOで採択

2025年12月03日

 この度、国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「水素利用拡大に向けた共通基盤強化のための研究開発事業」において、学校法人 同志社(グループリーダー)、国立大学法人 東北大学、国立大学法人 千葉大学、国立研究開発法人 産業技術総合研究所、パナソニック株式会社および当社で提案した研究開発テーマ「HDV用燃料電池を目指した革新的低白金化技術開発」が採択されましたのでお知らせします。

 2025年度「水素利用拡大に向けた共通基盤強化のための研究開発事業」に係る実施体制の決定について

【背景】
 燃料電池は乗用車に加え、バスやトラックなどの大型商用車、船舶、建機や農機といった多様なモビリティでの活用が期待されています。燃料電池において、我が国では世界に先駆けて家庭用燃料電池(エネファーム)や燃料電池自動車(FCV)を商用化されています。現時点では特許数も世界一であるなど、我が国が長い歴史の中で蓄積した燃料電池技術の競争力は、諸外国に比べて高くなっています。しかし、大型商用車等への導入に向けては今後更なる燃料電池の性能、ならびに耐久性の向上が求められており、部素材を始め数多くの研究開発要素が残されています。2024年3月には「NEDO燃料電池・水素技術開発ロードマップ」において、「FCV・HDV用燃料電池」のロードマップが改訂され、航続距離・稼働時間の長さや搭載性・重量等の観点から燃料電池適用の期待が大きい大型・商用モビリティ(HDV: Heavy Duty Vehicles)をターゲットとして、2035年頃に達成すべき燃料電池の目標を新たに設定されました。

 そこで上記の目標を達成するために、NEDO「水素利用拡大に向けた共通基盤強化のための研究開発事業」の公募に、共同提案者とともに研究開発テーマ「HDV用燃料電池を目指した革新的低白金化技術開発」の提案を行いました。

【研究概要】

 2015~2019年度NEDO「燃料電池等利用の飛躍的拡大に向けた共通課題解決型産学官連携研究開発事業/共通課題解決型基盤技術開発/高温低加湿作動を目指した革新的低白金化技術開発」プロジェクトで、メソポーラスカーボン(MPC)担体を用いた白金および白金合金触媒の開発、およびメラミンに代表される有機化合物の白金触媒表面の修飾による高活性化、高耐久化技術の開発を進め、図1に示すような特性を有する高活性触媒の開発に成功しましたが、2035年目標のIV特性と比較して、低電流密度から高電流密度にわたり、発電性能に大きな解離があります。

 本研究開発では、同図に示すさまざまな革新的低白金化技術を開発し、上記の2035年目標を達成します。具体的には、1)これまでのMPC担体を用いた白金、合金(ハイエントロピー合金を含む)およびコアシェル触媒技術をベースにしたさらなる高活性化の実現、2)これまでの有機物修飾技術をベースに、さらに高活性、高耐久性を与える有機物探索やメカニズムの解明。MEAでの使いこなし技術の確立、3)MPC担体を用いた触媒を有効に使いこなす触媒層構造の最適化により、さらなる高活性化、高電流密度化、高耐久化の実現を目指します。また、最大120℃の高温作動の課題においては触媒層の親水性/疎水性制御に加えて、120℃作動対応イオノマーおよびイオン液体の利用により、120℃高温作動化を目指します。

2035年IV目標および本プロジェクトの開発概要.png

図1 2035年IV目標および本プロジェクトの開発概要

【NEDO事業概要】

 本事業はNEDOの委託を受けて実施します。NEDO事業の概要は以下のURLをご参照下さい。

 水素利用拡大に向けた共通基盤強化のための研究開発事業

【研究機関】

 研究期間は2025年6月16日から2028年3月31日(最大2030年3月31日)までです。



【本研究内容に関するお問合せ先】
■石福金属興業株式会社 ナノ材事業部 井上 秀男
 Tel: 048-931-4581 (代)
 e-mail:h-inoue(at)ifk.co.jp

【報道に関するお問合せ先】
■石福金属興業株式会社 総務部 福居 直樹
 Tel: 03-3252-3131 (代)
 e-mail:kouhou(at)ifk.co.jp

 ※(at)は@に置き換えて下さい。