貴金属熱電対(白金-ロジウム系)

貴金属熱電対(白金-ロジウム系)とは

貴金属熱電対は、白金や白金-ロジウム合金などを用いて作られる高精度かつ高温対応の熱電対で、一般にR型、S型、B型などに分類されます。
主に1000℃を超える領域での使用を想定し、化学的に安定で耐熱性に優れるため鉄鋼や硝子、半導体などの分野における高温かつ過酷な環境でも信頼性の高い測定が可能です。長期安定性や再現性が求められる場面では非常に有用です。
貴金属熱電対は、素材が高価なため導入コストがかかりますが、寿命を迎えた貴金属熱電対を改鋳して再利用し、新しい貴金属熱電対を購入するコストを大幅に削減することができます。

石福金属興業の貴金属熱電対(白金-ロジウム系)の特徴 

社内で精製した高品位の白金とロジウムを原料として使用

当社では貴金属熱電対用の白金-ロジウムを独自に精製しており、化学的安定性に優れます。高温域での使用でも、安定した精度を維持できる点が大きな特徴です。 さらに、厳格な工程管理により不純物混入を抑制するため、高度な信頼性が求められる計測現場でも安心してご使用いただけます。

独自の加工技術により、高精度な熱電対素線をご提供

当社独自の加工技術で合金組成の均一性を高めることで測定誤差を大幅に低減し高精度な熱電対素線をご提供できます。細径の素線でも成分ばらつきが極めて小さいため、高温環境下での長期使用においても安定した測定精度を保つ点が特徴です。

線径数十μmの消耗型熱電対も取扱い

線径が太い一般的な熱電対は応答速度が遅く、急激な温度変化を正確に追従しづらい傾向があります。これに対し、当社の極細線を用いた消耗型タイプは瞬時の温度変動を捉える測定が可能で、高速応答を求められる場面にも対応できます。
ただし耐久性は低いため、用途に合わせた定期交換が推奨されます。

貴金属熱電対の製品紹介

JIS 規格
JIS C 1602:2015 より抜粋
種類の記号 プラス線 マイナス線 許容差の分類
クラス1 クラス2 クラス3
S 90%PtRh Pt 0~1100℃未満:
±1℃
1100~1600℃未満:
±[1+0.003・(t-1,100)]
0~600℃未満:
±1.5℃
600~1600℃未満:
±0.0025・t
R 87%PtRh Pt 0~1100℃未満:
±1℃
1100~1600℃未満:
±[1+0.003・(t-1,100)]
0~600℃未満:
±1.5℃
600~1600℃未満:
±0.0025・t
B 70%PtRh 94%PtRh 600~1700℃未満:
±0.0025・t
600~800℃未満:
±4℃
800~1,700℃未満:
±0.005・t
  1. ※1tは、測定温度の+,-の記号に無関係な温度(℃)で示される値
  2. ※2許容差は、新しい素線だけに適用する。
JIS 規格外
品名 プラス線 マイナス線 測定温度 許容差基準
13%PR 87%PtRh Pt 0~1,600℃未満 ±1.5℃または測定温度の±0.25%
20%PR 80%PtRh 95%PtRh 600~1,700℃未満 ±5℃または測定温度の±0.5%
40%PR 60%PtRh 80%PtRh 800~1,800℃未満 ±5℃または測定温度の±0.5%
消耗型R 87%PtRh Pt 0~1,600℃未満 1,554℃において±1.5℃
消耗型B 70%PtRh 94%PtRh 600~1,700℃未満 1,554℃において±2.0℃
消耗型13%PR 87%PtRh Pt 0~1,600℃未満 1,554℃において±1.5℃
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